2018/10/20

ブルターニュの至宝・フルート奏者Jean Michel Veillon 初めての日本ツアーが始まります! その2


 フランスのブルターニュのケルト音楽を演奏するJean-Michel Veillon(ジャン・
ミシェル・ヴェイヨン)さんの初来日ツアーがもうあと2週間ほどで始まり
ます。

 先月号ではブルターニュ音楽とジャンさんの功績について書きました。

 ジャンさんについては、たくさんのインタビュー記事がありますので、
より詳しく知りたい方は、こちらをぜひご一読ください(日本語)

 https://celtnofue.com/column/musician/interview/index.html#p_brittany

 私がジャンさんのことを知ったのは学生時代にアイリッシュ・フルートを
始めた2000年のことでした。当時はアイルランド音楽に夢中で毎週セッション
に通っており、頭の中はリールやジグでいっぱい。そんな中で、アメリカの
Green Linnetレーベルから発売されていたバンドKornogCDを聴いたのです。
 ジャンさんの名前は海外のフルート奏者のインタビューの中でもたびたび
言及されており、興味を持っていました。ジャンさんのフルートはそんな
アイリッシュどっぷりの私にとって、目を見開くような体験でした。

 彼のフルートはアイルランドの奏者とは全く違う表現スタイルです。アイル
ランド音楽ではダンス音楽が主であり、リズムの正確さや装飾の美しさが命です
が、ジャンさんの音楽はブルターニュのダンス音楽でありながら、心の内面の
機微を表現しているように感じました。演奏技法的には、アイルランド音楽
ではあまり開拓されていないタンギングの可能性、そして東洋の音楽から
発想を得た様々なフルートの新しい奏法を積極的に取り入れています。
 
 ジャンさんは数多くのバンドで活躍していますが、特にフルートとギター
のデュオが素晴らしく、シンプルかつ深みのある演奏を細部まで堪能すること
ができます。ジャンさんにとっても、デュオはひとつのテーマであるようで、
これまでYconさんとのデュオとしてライブアルバムを含む4枚のCDを発表して
います。

 デュオ作品として最もおすすめするのは、こちらのCDです。

 https://celtnofue.com/items/detail.html?id=590

 ジャンさんのもうひとつの魅力は、その音楽性の幅広さ。ブルターニュでは
もともとフルートが使われていなかったので、アイルランドやスコットランド
音楽から演奏技術を学びました。そのためブルターニュ音楽のほかにアイル
ランド、スコットランド音楽の演奏も得意としています。さらに、Kornogでは
東欧音楽の演奏も手がけており、今回のコンサートではどんな音楽が聴けるの
が楽しみです。

 ケルト音楽ファンはもちろん、フルートなど管楽器奏者は絶対に見逃して
ほしくないコンサートです。たくさんのインスピレーションと知識を得られる
ことでしょう。

 ジャンさんのツアーは113()の大阪から始まります。
 チケットの予約は下記からどうぞ。

 https://celtnofue.com/about/jmv.html