2017/11/29

仕事において何を最重視するのか


※主に音楽家向けに書いた文章です。

仕事において、何を重視するのかについて、自分の考えをまとめます。

時給制のアルバイトであれば、賃金は時間によって計算され支払われます。雇用主への貢献度は昇給に影響するかもしれませんが、賃金には直結しません。

月給制の会社員であれば、賃金は決まっていますが、基本的には毎日決まった時間を拘束されるので、労働生産性は賃金に直結しません。

このような契約の場合、雇用主の要求を最低限クリアしてその時間をやり過ごすことが、エネルギーを節約できて最も「損をしない」働き方になります。

自営業であれば、利益追求、顧客満足、やりがい、好きなことを仕事にすること、競争に勝つことなど様々な要素がありますが、僕は短時間でより高い価値のある商品とサービスを提供して、時間の経過とともに価値が蓄積してゆく仕事をしたいと考えています。
それは音楽家としても経営者としても同じ考え方です。

演奏において価値を提供するというのは、より良い曲や演奏をお客様に楽しんでいただくこと、一生売り続けることができる質の高いCDを作ること。レッスンならば時間単位の生徒さんの学習効率を高めて、より多くのよりレベルの高い卒業生を育てること。

1回数千円のレッスンやライブは、その場限りで価値が蓄積しませんので、利益を追求するのなら数を多くこなさなくてはいけません。このような働き方はアルバイトと同じで時間をお金に変える労働ということになります。生徒さんやライブのお客様しか自分の与える価値やサービスを享受できないため影響を与える範囲も限定的です。

人生において時間とエネルギーは最も貴重なものです。もし住宅ローンや教育費を支払うためにそういった仕事に追われるのでしたら、一生そのままでキャリアライフを終えてしまう恐れがあります。

ですから、ライブやレッスンの数を増やすことを目指すのではなくて、その時間やエネルギーを付加価値の高い商品やサービスを生み出すことに注力し、より多くの人により高い価値を提供することを意識したいと思います。具体的な方法についてはここでは述べません。

価値が蓄積し、成果物がさらに成果を生み出すサイクルを作れば、自分が働こうが働くまいが収入を得られるようになり、労働と時間と現金収入は切り離されます。
=時間を削ってお金を得るのではなく、
=お金のために仕事をする必要がなくなり、 その結果生まれた時間とエネルギーをさらに価値の商品やサービスを提供するために使うことができます。

よって、より高い価値を生み出すことが、音楽家としても経営者としても、目指すべきことだと考えています。

2017/11/21

次の目標は安定感を得ること

「次の目標は安定感を得ること」

今日、僕は39歳の誕生日を迎えました。
国内外のたくさんの方からの祝福のメッセージを頂き、とても嬉しく、また次の一年も皆様と幸せな時間を過ごしたく思っています。

去年の誕生日、僕はいつまでも健康を維持して成長を続けるために生活習慣を改善しはじめました。

身につけたい良い習慣、やめたい悪い習慣を書き出して、毎日実行するように心がけました。
今年は長期旅行や不規則な行動パターンの日が多く、守れない日も多くありましたが、多くのことが身につきました。
良い習慣は無意識に体が動くまでになり、やめたい習慣は遠ざけることができました。

身についたものは、
朝起きたらストレッチ(ヨガとまでは言えない)
→歯を磨く
→お湯を一杯飲む
→10分散歩
→トイレ掃除
→うさぎの世話
→納豆・豆乳・果物(orスムージー)・ナッツの朝食
→掃除と整理整頓
→シャワーと移動中は外国語を聴く
→コーヒーを飲みながら読書
を2時間ですることが、日課になりました。

また、寝る前に机を綺麗に整理し、翌日の予定を見ること、その日のうちに全ての受信メールに返信することも努力目標として取り組んでいます。

やめたものは
・一人で飲酒
・テレビ
・食習慣に関するルールは書ききれないほど

それを経て今取り組んでいるのはこちらです。

・午前中はメール返信をしない
→そのかわりに本の執筆や練習をする
・仕事と練習中はスマホはoff
・寝室にスマホを持ち込まない
・メールチェック回数を減らす
・SNSの時間を減らす
・7時間睡眠(いつも足りない)

生活・仕事空間を整えて丁寧に生活をすると、何をすべきか見え、大事なことだけに集中できるようになります。

おかげで以前よりも体調はよくなり、頭がスッキリし、ストレスが減り、探し物や亡くし物は減り、生産性や効率が上がりました。

このような習慣を身につけようと思ったのは、自分がこの人生においてやるべきこと、したいことを考えた時、そのための人生の残り時間が余りに足りないと感じたからです。
できるだけ健康で長生きして、病気やトラブルに煩わされずに、目的に沿って生きたいと考えています。

さて、30代最後の歳となるこれからの目標は、「安定感」を身につけることです。

それを考えたきっかけは先日、名古屋の宗次ホールでコンサートをしたことでした。毎年ここでコンサートをさせて頂くようになって5年くらいになりますが、スタッフのみなさんは常にキビキビとしており、コンサートのルーチンが毎回完璧に行われています。

すべて演奏者もお客様もスムーズに音楽に集中できるように考え抜かれており、ぶれることはありません。
宗次ホールはCoCo壱番屋の創業者によるプライベートホールですが、創業者の宗次徳二さんは毎朝の早起き、街の清掃、街路に花を植えること、お客様からの手紙に必ず手書きで答えることなどを習慣にしていらっしゃいます。

飲食店で接客や味にブレがあっては、お客様からの信頼を貰えません。それは飲食店だけのことではなく、プロであれば何事も安定感ある高品質なパフォーマンスができて初めてファンが定着するのです。

そのためには、基礎的なことを確実に行い続けることが大切です。しかし、それがいかに難しいかを痛感します。宗次さんは、誰にでもできることを毎日継続するのは誰にでもできないことである、とおっしゃっています。

僕はメルマガを月初に毎月に発行すること、YouTubeを毎週更新することと決めていますが、多忙な時や不調な時は締め切りを守ることができません。
コンサートの契約を文書で交わすこと、コンサートにアンケートと鉛筆を持っていくことなども、気分次第になってしまいます。
それは誰かに迷惑をかけるわけではないかもしれませんが、そういうところを人は見ているのです。

習慣や約束を確実に守ることは、ひいてはレッスンやコンサートや編曲や本の質を高く保ち続けることにも通じています。


このようなことは、いつ何をしても自由で、気分で行動してしまいがちな自分だからこそ、意識したいのです。

2017/11/04

量産品C管ティン・ホイッスルの音程について

お客様から、量産品のC管ティン・ホイッスルで、GenerationとSusatoのどちらが音程が良いかというご質問を頂きました。

僕はこれまで演奏の現場では使っていなかったので、改めて調べてみました。

結果を言えば、Generationは非常に悪いです。Susatoはまだマシではありますが、オクターブの間が狭く(2オクターブ目の音程が上がりきらず)、2オクターブ目では音が割れんばかりに吹かないと、音程を良く吹くことはできません。

実験の条件:
第1オクターブ目のF(3つ閉じた運指)と第2オクターブ目のC(全閉じ)で440hzに合わせてマウスピースを抜き、7音階の音程をRTTAチューナーアプリで計測しました。その結果が画像のとおりです。息の強さをある程度は調整しています。

1枚目がGeneration
 
2枚目がSusatoです。



メーカー間の競争も多いD管に対してC管は製造しているメーカーが少なく、手を抜いているのかな…という印象です。

今回、量産品のC管がこんなにも音程が悪いことを知って、僕自身が少しショックを受けています。なお、Feadog C管もGenerationと大差はありませんでした。

もし正確な音程が求められる現場でしたら、BurkeのC管のご購入をお勧めいたします。