只今、フランスのフルーティスト、ジャンさん(Jean-Michel Veillon)のツアーの真っ最中です。毎日奇跡のようなコンサートを間近で見ることができて、主催して本当に良かったと思っています。
ジャンさんは木製フルート、いわゆるアイリッシュ・フルートの演奏においては掛け値なしで地球上でトップの演奏家です。ジャンさんと
同じ時代に生きることができた自分の幸運に感謝したくなる、それほどすごい音楽を奏でます。
自分の話で恐縮ですが、ここ数年、音楽がありふれすぎていて正直に言って音楽を聴くことに飽きを感じていました。昔はコンサートで感動することもありましたが、近年そんな経験は滅多になくなってしまいました。
それなのに、ジャンさんのツアーが始まってからは毎日涙を流すほど感動する日々です。音楽って素晴らしいと改めて思っています。
ジャンさんの音楽の素晴らしさは、言葉に書きつくすことができません。「ケルト音楽の最高峰」「究極のデュオ」そんな言葉ですら陳腐になります。来て、見てもらうしかありません。人生観が変わります。
今日は関西で最後の京都公演。主催者だから断言しますが、次のチャンスはありません。今からでも、お申込みをお待ちしています。
https://celtnofue.com/about/jmv.html
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ジャンさんの音楽を描写するのに「最高のケルト音楽」「デュオの究極」と書いても、そんなありふれた言葉では陳腐すぎて何も伝えることができません。
だから僕は「東洋の書芸を思わせる芸術」とチラシに書きました。それが20年間近く彼らの音楽を聴いた僕が思う、彼らの音楽の核心です。
今から20年近く前にアイリッシュにどっぷりのめりこんでいた頃、知人から二人のCDを借りて聴きました。それは一見アイリッシュと同じ木製フルートとギターを使っていながらもまったく異なる音楽でした。ダンス曲を演奏していても溢れる感情表現が、心の奥深いところを揺さぶります。ダンス曲なのに
なぜこんなにも感動するのだろう。何度と涙を流したかわかりません。
アイリッシュが社交(セッション)と踊りのために外に向かって発散する指向性があるのに対して、彼らの音楽は聴くものの内側に染み込んでいく内省的な指向性があります。
彼らの音楽を聴いて東洋美術に通じると感じた理由は、そのシンプルさと奥深さにあります。フルートとギターという二つの音色だけの音楽は水墨画のように単色の世界ですが、その中に濃淡があり、強弱があり、空間があります。二つの楽器がシンクロナイズしたり、片方が同じフレーズを反復したり、無拍節になったり、無限とも思われるアレンジと変化が音楽を立体にします。それぞれの楽器が書道の筆のように、力強い線と柔らかい線、かすれ、滲みを描きます。その組み合わせは白と黒だけでここまで豊かに表現できるのかと驚くばかりです。
自身が演奏家としてジャンさんの演奏を見ていて多くの気付きがあります。
ジャンさんは、フルートは「息の芸術」であると言います。アイルランド音楽はバグパイプが根源にある音楽です。そのバグパイプの特徴が、フルートやフィドルなど様々な楽器の演奏法の元になっています。その特徴とは、音量の強弱がなく、音色の変化を意図的につけることができず、一度演奏を始めたら音を止めることができず、連続する同じ音をタングングなどで区切ることができないという制約です。そのため、アイルランド音楽は装飾音、タイミング、スウィング感を追求し、ダンス曲をノリよくするための演奏スタイルを発展させました。
それに対して、ジャンさんの笛は様々な息の技法の百科事典で、強弱、陰影、音色の変化があり、立体的です。それが、書道の筆の運びを連想させるゆえんです。
ジャンミシェルさんにこの感想を伝えました。ジャンさんは、ブルターニュ音楽をフルートで演奏し始めた頃、もともとブルターニュにはフルートの伝統がなく、その演奏法を探るために世界の色々な笛の音楽を聴いていたそうです。
尺八や雅楽、トルコのスーフィー(神秘主義)の笛、インドの竹笛バンスリーなどを愛聴しており、それらの楽器を学んだり、真似したことはないものの、多くのインスピレーションを受けたとのことでした。
ダンス音楽とはダンサーを乗せるための音楽ではありますが、それだけでは僕は物足りないと思っていました。ジャンさんの音楽にはあふれるほどの表情、表現力があります。僕は、彼らの音楽を通じて、「ダンス曲で表現をする」とはどういうことなのかを学んでいるのです。
26年演奏している円熟のデュオは、音楽の究極の形態です。
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・ブログでのライブレポート Piper's Caffe
Jean-Michel Veillon &Yvon Riou まさしく今年、最高のライブでした 」
https://piperscaffe.org/main/?p=36638&fbclid=IwAR0jDVXqiQbgzn_FyC7CbJ1oXKJ2h3Ohh15oBwx6AYYCqUIKw5jordCmtJk
クラシックフルートも木製フルートも、これまで沢山の生演奏を観てきましたが、あんなに凄まじいオーラを放ちながら吹くフルート奏者は初めてです。
木製フルートの可能性を最大限に引き出し、フルートの鳴りも最大限に使いこなし、彼らの内から溢れでる音にただただ圧倒され、ブルターニュ音楽の奥深さを感じられた2時間でした。
・ブルターニュ音楽、素晴らしかったです❗️一瞬で来て良かったと思いました✨
・木製フルートの可能性を最大限に引き出し、想像以上にスケールの大きな世界観に心を掴まれまくります。
・本当に素晴らしくて一曲終わるごとにため息の連続でした。
・フルート=横笛というイメージだが、ティンホイッスルなど縦笛はもちろんのこと、息を使う楽器を演奏される方は必見!!
・たくさんの色、匂い、懐かしい風景など身体が感じるライブでした。
・なんだ、この音圧は!!! 息のうねりがすごい!!
・日常を離れて、自己の内面を深く深く見つめるような心が洗われる時間でした。
息遣い、間合い、お二人の呼吸すべてが音を通して流れてくるようでした。
・心が震えました。息を呑み感じで聞き入ってしまいました。
・ジャンさんの身体全体から響いてくる音に圧倒され通しでした。
・心に届く音楽ってこういうことですね。とても幸せでした。
・あまり聴いたことがないジャンルでしたが、文化・生活・歴史が浮かびました。
・ジャンさんの笛の音色は、圧倒的な迫力と優しさが絶妙に合わさっていて、音の波を身体中で受け止めている不思議な感覚でした
・ジャンさんのフルートは木と言いながらエレキに違いない。
ブレトン音楽の笛奏法を開拓されてきた方だけあり、奏法面のクリエイティビティが素晴らしかったです。やれることは全部やっている感がある。変え指でちょっと変な音が出るビブラートとかトリルとか、単体で聴くと何の意味があるのかわからん奏法が、実際の演奏では全部使い分けた上で
ぶっ込まれていて微細な陰影につながっているのが凄い。
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すべてのご予約はコンサート開演直前までメールで受け付けます。
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
【日時】11月7日(水)18:30開場 19:00開演 21時終了
【料金】一般 4,000円/学割 2,000円(学割は学生証の提示が必要です)
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
【場所】スマグラー 静岡県浜松市中区肴町313−12
【内容】30分のミニ・コンサートと90分のセッションです。
アイルランド音楽を演奏する方は楽器を持ってお越しください。
★11月9日(金) 栃木県宇都宮 (宇都宮伊澤屋協賛公演
【日時】11月9日(金)18:30開場 19:00開演 21時終了
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
【日時】11月10日(土)12:30開場 13:00開演 15時終了
東京都世田谷区北沢2-26-23 EL NIU B1F
【料金】一般 4,000円/学割 2,000円(予約・学割は学生証の提示が必要です) 4500円(当日)
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
【日時】11月10日(土)18:00開場 19:00開演 21時終了
【料金】一般 4,000円/学割 2,000円(予約・学割は学生証の提示が必要です) 4,500円(当日)
【ゲスト】豊田 耕三(フルート) 大竹奏(フィドル)
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
【日時】11月11日(日)10:30開場 11:00開始 14:30終了
【料金】受講 一般 8,000円/学割 4,000円
聴講のみ 一般 4,000円/学割 2,000円(学割は学生証の提示が必要です)
【内容】アイリッシュ・フルートの世界最高峰の演奏家から直接レッスンを受けることができる唯一の機会です。受講生ひとりひとりの演奏を聴いて、リズム、アーティキュレーション、装飾音などについて詳しく指導します。
また、レクチャーとして、アイルランド音楽ではほとんど使われることがない、アイリッシュ・フルートの特殊技法(替え指、ハーモニクス等)を紹介します。
昼食は下の階の中華料理店「成都」のテイクアウトを一緒に楽しみましょう。
※受講は10名まで、要予約。モダン・フルートでの受講も可能です。
ご予約 メール hatao@irishflute.info まで
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どうしてもコンサートに来られない方はCDでもお楽しみになれます。
https://celtnofue.com/about/jmv.html