今回の旅行はいつものようにソウルだけで演奏をしてトンボ帰りするのではなく、翌週の福岡でのコンサートと結び付けてソウル4日、釜山2日という予定を組みました。釜山から福岡は憧れのフェリーです。以前、福岡に毎月レッスンに通っていたころ、一度船で釜山に行くことを計画してチケットも買ったのですが、台風で欠航となったのです。
韓国はハングルの国。メニューも商品のパッケージも看板もまったく読めません。一人で旅行するのにハングルができたほうがいいに決まっています。
そこで、ハングルの入門書を3冊ほど買って、読み方と書き方の勉強をしました。発音については心もとないものの、日本語に変換して読み書きは、ほぼできるようになりました。とはいえ、とってもゆっくりなスピードですし、読めても意味は分からないのですが。
おかげで街の看板やメニューを読むことができ、いろいろな面白い発見もあり、楽しむことができています。人の名前もハングルで読めるようになりました。日本人なら誰でも知っているビビンバやキムチやプルコギはこう書くのか! と楽しい発見がいっぱいです。
以下、言葉について思ったことをエッセー形式で書きます。
【韓国人と漢字】
韓国は漢字を排除したため今では「生」とか「無」などごく簡単な漢字以外はほとんど目にすることはありません。韓国人が認識できる漢字はごく少ないと思われます。ですが、昔の建物や石碑は漢字が書いており、もし今でも漢字を使って、日本語のようにハングルと漢字の混ぜ書きにしてくれていたなら、筆談によって日韓のコミュニケーションも簡単だったろうにと残念に思います。ちなみに韓国人が日本語を学ぶ際にもっとも難しいことの一つは漢字だそうです。
【韓国語と日本語】
韓国語と日本語は文法上は非常に似ていると聞きましたが、実際に勉強してみると実に似ています。漢字語と外来語がある点や、敬語がある点でもそっくりです。また、ハングルもひらがなも表音文字なので、日本人が韓国語を学ぶ手順としては、ハングルを覚える→韓国語の単語を覚える→日本語と同じ発想で単語を組み立てるだけで、韓国人とコミュニケーションをとるのに最小限の韓国語はすぐに身に着くように思います(甘いですか?)。
韓国に来ると、英語よりも日本語の方がずっと得意な方が多く、若い方だとある程度の日本語はほぼ誰でも話せると言えるくらいの印象を受けます。高校で第二外国語があり日本語を履修する人や、ワーキングホリデーや留学で日本に来る方も多いです。かえって、私たち日本人は韓国語をどれほど理解しているでしょうか? ハングルは1週間で学べます。ぜひ、皆さまもトライしてみてください。
【韓国語と英語】
韓国人の一般的な英語のレベルは日本人とあまり大差がなく、つまりほとんど話せないということになります。
しかし、韓国人は時々英語の発音が良いなと思うことがあります。
韓国語には、日本にない「パッチム」という発音システムがあります。日本語は子音と母音が必ずくっついているのに対して、韓国語は英語のように子音だけの発音があります。たとえばChipsという英単語を日本語で言うとチップスchi ppu su となりますが、韓国語は칩스 chip su となり、日本語よりも英語により近い発音となります。
韓国語での外来語は、中国語が意訳したり中国語風に発音するのに対して、日本のように外来語をハングルでそのまま取り入れますので、日本で使っている外来語が結構通じます。たとえばホテル、、ピアス、マッサージ、ティッシュ、シャンプー、ノート、ペンなどです。話がそれますが、家具、靴、かばん、高速バス(コソクバス)なんて英語でもないのに日本語と全く一緒です!
【韓国語と中国語】
韓国語と中国語は直接的なつながりがありませんが、一部の発音は北京語と似ているものがあるようです。紅茶(ホンチャー)、以後(イホウとイフー)、休憩(ショウシとヒュシ)、修理(ショウリとスリ)など、韓国語を聞いていると時々中国語と似ているなと感じることがあります。これは多言語学習者ならではのひそから喜びです。
【多言語語学習での気づき】
中国語を学習し始めたころ、中国語での漢字の読み方を覚えるのには一苦労しました。日本語では同じに聞こえるジャンZhangとZhan、リーriとli、シーxiとsiなどの区別に加えて4声の抑揚があって初めて通じるので、発音記号を覚えて、それを正確に発音して初めて意味が通じるのです。日本人の中国語学習において、ここが一番の難所でしょう。
初期のころは、漢字を入力すると発音を表示してくれるスマホのAppを使って、街で見る看板などの発音を確認して覚える、をひたすら繰り返しましたし、ノートの漢字にはピンインを振っていました。
一方ハングルは表音文字ですし、4声もないので、比較的容易だと思います。もちろん、日本語にはない音もあるのですが、たとえば「指さし韓国語」のような本で片仮名で書いている韓国語、たとえばイルボンマエチャラシネヨ(日本語がお上手ですね)とかセンメッチュハナピョンチュセヨ(生ビール1つください)などは、棒読みの日本語発音でも確実に通じるはずです。これは中国語では絶対不可能です!
そして、いたるところにハングルだらけなので、どんどん読んで、どんどん単語を覚えることができます。特に英語や日本語が併記してあれば、意味も確実にわかります。中国語と韓国語、どちらが単語を覚えやすいかと言えば、視覚ベースでは中国語、発音ベースでは韓国語でしょう。
【歩みだすと止めることができない】
今まで韓国は3回来ましたが、これまではハングルを学ぼうという気持ちがまったくなかったので、当然ながらわからないままでいした。今回はハングルを学んでから来た上に、各種会話教材や「指さし韓国語」のAppを用意して、英語や日本語が理解できる相手でもできる限り韓国語を練習するように意識しています。
すると、実に遅い歩みでも、口が覚えてゆくんですね。特にいつも使う挨拶言葉なんかは、自然に出るようになります。
これまでの語学学習の経験では、一度歩みだすと、もうあとは語彙が増えるに任せて自然に話せるようになります。音楽家としての経験から、とにかく聴いて話すことが大切だと思います(音楽も聴くことが5割、練習は5割)。
帰国後は初級の教科書を独学したりSkypeレッスンを受けたりして、目標としては1年後にはfacebookで韓国人の友人とハングルでコミュニケーションが取れること、日常会話を韓国語のみで行うことができることを目指したいと思います。
おかげで街の看板やメニューを読むことができ、いろいろな面白い発見もあり、楽しむことができています。人の名前もハングルで読めるようになりました。日本人なら誰でも知っているビビンバやキムチやプルコギはこう書くのか! と楽しい発見がいっぱいです。
以下、言葉について思ったことをエッセー形式で書きます。
【韓国人と漢字】
韓国は漢字を排除したため今では「生」とか「無」などごく簡単な漢字以外はほとんど目にすることはありません。韓国人が認識できる漢字はごく少ないと思われます。ですが、昔の建物や石碑は漢字が書いており、もし今でも漢字を使って、日本語のようにハングルと漢字の混ぜ書きにしてくれていたなら、筆談によって日韓のコミュニケーションも簡単だったろうにと残念に思います。ちなみに韓国人が日本語を学ぶ際にもっとも難しいことの一つは漢字だそうです。
【韓国語と日本語】
韓国語と日本語は文法上は非常に似ていると聞きましたが、実際に勉強してみると実に似ています。漢字語と外来語がある点や、敬語がある点でもそっくりです。また、ハングルもひらがなも表音文字なので、日本人が韓国語を学ぶ手順としては、ハングルを覚える→韓国語の単語を覚える→日本語と同じ発想で単語を組み立てるだけで、韓国人とコミュニケーションをとるのに最小限の韓国語はすぐに身に着くように思います(甘いですか?)。
韓国に来ると、英語よりも日本語の方がずっと得意な方が多く、若い方だとある程度の日本語はほぼ誰でも話せると言えるくらいの印象を受けます。高校で第二外国語があり日本語を履修する人や、ワーキングホリデーや留学で日本に来る方も多いです。かえって、私たち日本人は韓国語をどれほど理解しているでしょうか? ハングルは1週間で学べます。ぜひ、皆さまもトライしてみてください。
【韓国語と英語】
韓国人の一般的な英語のレベルは日本人とあまり大差がなく、つまりほとんど話せないということになります。
しかし、韓国人は時々英語の発音が良いなと思うことがあります。
韓国語には、日本にない「パッチム」という発音システムがあります。日本語は子音と母音が必ずくっついているのに対して、韓国語は英語のように子音だけの発音があります。たとえばChipsという英単語を日本語で言うとチップスchi ppu su となりますが、韓国語は칩스 chip su となり、日本語よりも英語により近い発音となります。
韓国語での外来語は、中国語が意訳したり中国語風に発音するのに対して、日本のように外来語をハングルでそのまま取り入れますので、日本で使っている外来語が結構通じます。たとえばホテル、、ピアス、マッサージ、ティッシュ、シャンプー、ノート、ペンなどです。話がそれますが、家具、靴、かばん、高速バス(コソクバス)なんて英語でもないのに日本語と全く一緒です!
【韓国語と中国語】
韓国語と中国語は直接的なつながりがありませんが、一部の発音は北京語と似ているものがあるようです。紅茶(ホンチャー)、以後(イホウとイフー)、休憩(ショウシとヒュシ)、修理(ショウリとスリ)など、韓国語を聞いていると時々中国語と似ているなと感じることがあります。これは多言語学習者ならではのひそから喜びです。
【多言語語学習での気づき】
中国語を学習し始めたころ、中国語での漢字の読み方を覚えるのには一苦労しました。日本語では同じに聞こえるジャンZhangとZhan、リーriとli、シーxiとsiなどの区別に加えて4声の抑揚があって初めて通じるので、発音記号を覚えて、それを正確に発音して初めて意味が通じるのです。日本人の中国語学習において、ここが一番の難所でしょう。
初期のころは、漢字を入力すると発音を表示してくれるスマホのAppを使って、街で見る看板などの発音を確認して覚える、をひたすら繰り返しましたし、ノートの漢字にはピンインを振っていました。
一方ハングルは表音文字ですし、4声もないので、比較的容易だと思います。もちろん、日本語にはない音もあるのですが、たとえば「指さし韓国語」のような本で片仮名で書いている韓国語、たとえばイルボンマエチャラシネヨ(日本語がお上手ですね)とかセンメッチュハナピョンチュセヨ(生ビール1つください)などは、棒読みの日本語発音でも確実に通じるはずです。これは中国語では絶対不可能です!
そして、いたるところにハングルだらけなので、どんどん読んで、どんどん単語を覚えることができます。特に英語や日本語が併記してあれば、意味も確実にわかります。中国語と韓国語、どちらが単語を覚えやすいかと言えば、視覚ベースでは中国語、発音ベースでは韓国語でしょう。
【多言語学習の面白さ】
以上のように、母語に加えて、これまで学んできた英語、中国語と韓国語を比較するとそれぞれとの共通点や差異を見つけることができます。英語は義務教育の6年に加えて実際にネイティブと会話ができるようになるまで長い時間がかかりましたが、中国語はのんびり学習にもかかわらず3年以内に日常会話ができるようになりました。一つの言語を学ぶのに、別の言語との比較によって理解が進むことが多く、使用言語が増えると加速度的に語学習得のスピードが上がることを実感しています。
韓国では日本語、英語が飛び交っており、実際に使う機会が多いです。LineやWechatで中国や台湾の友人と中国語で会話した後にとっさに英語に切り替えるのは難しく、バイリンガルみたいにスイッチできることをうらやましく思いますが、その切り替えを練習すればどんどん上達するはず。感覚を忘れずにどんどん上達するために、今後も頻繁に英語圏、中華圏、韓国を往復したいと思います。
【歩みだすと止めることができない】
今まで韓国は3回来ましたが、これまではハングルを学ぼうという気持ちがまったくなかったので、当然ながらわからないままでいした。今回はハングルを学んでから来た上に、各種会話教材や「指さし韓国語」のAppを用意して、英語や日本語が理解できる相手でもできる限り韓国語を練習するように意識しています。
すると、実に遅い歩みでも、口が覚えてゆくんですね。特にいつも使う挨拶言葉なんかは、自然に出るようになります。
これまでの語学学習の経験では、一度歩みだすと、もうあとは語彙が増えるに任せて自然に話せるようになります。音楽家としての経験から、とにかく聴いて話すことが大切だと思います(音楽も聴くことが5割、練習は5割)。
帰国後は初級の教科書を独学したりSkypeレッスンを受けたりして、目標としては1年後にはfacebookで韓国人の友人とハングルでコミュニケーションが取れること、日常会話を韓国語のみで行うことができることを目指したいと思います。