日頃コンサートではお話しないことなのですが、私達がどういう思いで活動しているのか、新年の今、気持ちを引き締めるためにお伝えします。
コンサートの主催者から「お子様が多いことが予想されるので、アニメの曲などお子様が楽しめるプログラムでお願いします」というリクエストを頂くことがあります。
また、ご老人が多い会場では歌謡曲や唱歌をリクエストされることもあります。
もし保育園など子供ばかりの場所でのコンサートであれば音楽の見せ方を考えることもあるのですが、私達hatao & nami はお客様のリクエストで映画音楽や歌謡曲やアニメ音楽を演奏することはありません。
私達がお客様に自信を持ってお届けできるレパートリーは、ケルトや北欧の素晴らしい伝承曲の数々と、私達が思いを込めて作ったオリジナル曲だけです。それ以外の音楽は私達は誇りを持って演奏することができませんし、何よりも自分達が楽しむことができません。自分達が楽しめなくては、それはお客様にすぐに伝わってしまいます。
お客様になるべく楽しんで頂きたい、子供だからアニメ音楽を聴けば喜ぶだろう、ご老人だから歌謡曲や唱歌が好きだろうという主催者のお気持ちも分かりますが、人間の感性はもっともっと豊かで柔軟だと信じています。
時々アンケートで「知っている曲がなかった」というご意見を頂くこともあるのですが、「知っている曲」は生まれた時から知っていたわけではなく、昔はどれも「聴いたことがない曲」でした。
それを繰り返し聴いているうちに心に沁み込み、好きな曲になったのではないでしょうか。どうか、新しい音楽に触れることを恐れないでください。
音楽には様々な楽しみ方があり、音楽家にもさまざまな活動のスタイルの方がいらっしゃいます。有名曲ばかり演奏してどこまでもお客様に寄り添うコンサートも世の中には必要だとは思いますが、私達は、自分達が思いを込められる、感動できる音楽をお客様と共有したいと思っています。それこそが、活動する意義だと思っています。
とはいえ決して自己満足や発表会になってしまわないように、自分達が理想とするものや世界観をしっかり見定め、それを表現できるように真摯に向き合えば、きっとお客様にも伝わるものだと、私達の音楽性を信じています。
今年も、全国のコンサート会場で皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
「新しい音楽に触れることを恐れないでください。」
返信削除この言葉はHataoさんの信念なのでしょうね。心に響きました。
コンサート、楽しみにしています。どうかこれからも豊かな音楽を奏でていって下さい。同じ音楽を愛するものとして、応援しています。